安心の地盤知識

地盤に関するトラブル

住宅を建設する際、現在ではほぼ全ての物件で地盤調査が行われています。地盤調査は、地盤が建築物を安全に支持できるか、支持するためにはどの程度の沈下が予想されるのか、また支持できない場合は安全に支持するための方法を技術的に調べることを目的として行われ、建築会社は、その結果に基づき必要な措置をとり、安全な地盤の上に家を建てます。しかし、地盤に関連するトラブルは後を絶たないのが現状です。

(財)住宅保証機構によると、住宅に関する保証事故処理件数は年々増加しており、平成20年度には機構だけで855件の保証事故処理が行われています。保証事故のうち、基礎に関わる事故の割合は13%前後とそう多くはありませんが、支払額でみた場合には全支払額の39%を占めるほどになります。

これは、基礎に関する保証事故は件数自体は少ないものの、1件あたりの支払金額が大きくなるためです。瑕疵に伴う平均補修額は1件あたり約230万円ですが、基礎の場合は平均750万円の補修費がかかっており(平成17年度/(財)住宅保証機構データ)、事故のない安全な地盤を確保することは、施主にとっても建設会社にとっても非常に重要な課題となっています。

地盤保証の選び方

不同沈下で家が傾くなど、地盤にトラブルがあった時、頼りになるのが「地盤保証」です。

現在の新築住宅は住宅瑕疵担保履行法により、万が一の際は、保証を受けることができます(事業者に資力確保措置として保険加入か供託が義務付けられている)が、この住宅瑕疵担保責任保険では、地盤調査や地盤補強工事に起因する不同沈下事故はまかなえない場合があるのです。また、建物そのものの補修費用は支払われるものの、沈下した地盤の補強工事費用は支払われない場合もあります。それら万一の際に、頼りになるのが「地盤保証」なのです。

地盤保証の多くは10年保証ですが、保証内容や実効性は各社で異なるため、保証の内容は事前に確認しておくようにしましょう。

一般的な地盤保証の種類

1.保証会社が地盤業者を傘下に持つ場合
2.地盤業者が自ら保証を行う場合
3.建設会社の団体も被保険者となる場合

地耐力計算書の必要性

地盤の強度性能を示す長期許容地耐力は、荷重を支えうる地盤の力(支持力)と地盤の沈下の2つの地盤性能から決まります。一般社団法人地盤安心工務店では、地盤保証会社に対し地盤保証の際には、「地盤の長期許容支持力」と「SWS試験結果による自沈層の検討」の計算根拠を「地耐力計算書」として添付することを推奨しています。

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